フジヤマ・スタート〜六合目
一泊二日の予定で生まれて初めて富士山に登りました。富士山に登るにはコースが4つあるのですが、東側から登る須走口のコースを選びました。理由としては、ツアーも組まれていないので人が少なめでのんびりマイペースで登れること、標高差1740メートル、コース距離12.9キロとそんな無茶苦茶でもないこと、登りはじめは草木が生えている森林の中を歩くので少しでも変化のあるコースを歩けること、新松田から登山バスが出ていて僕の家からは割とアクセスが良かったこと、富士山の東側のコースを歩くので頂上からでなくてもご来光を拝めること、などありました。今から考えてもコース選択は正解でした。
とはいっても天気予報は雨でした。しかし、準備にずいぶん時間をかけたことと、今更山小屋の予約をキャンセルしたら次のチャンスは来年です。無理かもしれないけどとりあえず現場まで行くことにしました。でも、家を出るときは晴天で、富士山の天気が悪いと言われてもピンと来ないんですよね。家から新松田の駅までは電車で1時間半ぐらいです。
それで、バスに揺られて更に1時間半、富士山須走口五合目に向かいます。あ、写真は無いけど途中野生の鹿を見ました。
もう、今にも降り出しそうな天気です。これ、登ってもいいのかな…。須走口の五合目には山小屋が二軒あって、そこで食事もできます。山菜そばとかキノコそばが名物っぽいのですが、いい値段の割に味のクオリティは全く追いついていないです。でもお弁当持っていなければここで腹ごしらえするしかありません。五合目ですでに標高2000メートルの場所なので1時間ぐらい滞在して高度に身体を慣らす必要があります。
まあここまで来ちゃうとある程度覚悟も決まり、登りはじめる人や降りてくる人もいるので登ることにしました。寝不足であまり食欲も無かったので焼きそばを食べました。800円。腹ごしらえが済んで、いざ出発!と思ったところで雨が降ってきました。ここでは本格的に雨対策をせず、レインジャケットだけ着込み、ザックカバーを装着しました。
登山道に入る前に古御嶽神社の前を通ります。無事に帰ってこれますように、と神頼みをしてから、いよいよ登山道に入ります。須走口の登山道のスタートはこんな感じの森の中を通っていきます。雨はすぐやんで、蒸し暑くなり、汗が噴き出します。少し進んでからレインジャケットだけ脱いで、ゆっくり歩きます。今回はとにかく、ばてたり高山病にならないようにゆっくり歩く事を意識していきました。
しばらく歩くと白樺の林に入ります。ものすごい白樺の量なのですがある程度進むと、どういうわけか、木が全部傾いているんですよね。木が全部同じ方向に生えているというか、風の向きなのか、太陽の向きなのかよく分かりませんが、不思議な光景です。
しばらく歩くとものすごいガスが出てきて10メートル先の視界も怪しくなってきました。このあたりから雨が本格的に降ってきたのかな。再びレインジャケットを着込んだのですが、すごい雨で、着ている途中でびしょ濡れになってしまって、中のTシャツも、首に巻いたタオルも、帽子もびしょ濡れです。ここですでに半分心が折れてしまいました。
びしょ濡れのまま、ようやく六合目に到着です。五合目から90分ぐらい歩きました。標高は2420メートル。雷がバンバン鳴っていて、山小屋のおじさんが登山者たちに、雷が近くに来たらおとなしく下山するように注意を呼びかけていました。
六合目に着く時点で、トレッキングパンツも濡れて気持ち悪くなっていました。ベンチで、トレッキングパンツの上にレインパンツも履きました。靴を脱ぐのがめんどくさくて履いてなかったのですが、もっと早く履けば良かった。雨対策を見直して本六合目を目指します。本六合目って…。